加賀毛針の老舗、目細八郎兵衛商店(安江町)が加賀毛針と加賀蒔絵(まきえ)の技巧を組み合わせた鑑賞用ルアーを開発した。28日に市役所で試作品を発表した目細勇治社長は「金沢が誇る伝統工芸を新たな形で発信したい」と期待を込めた。
市の金沢ブランド工芸品開発促進助成を受け、蒔絵作家の高田光彦さん(55)と、金沢卯辰山工芸工房研修生の山脇千尋さん(27)が2個ずつ制作した。
高田さんは鶴亀のほか、松竹梅をあしらった加賀友禅の着物や加賀手まりをデザインし、釣り糸の代わりに加賀水引を結んだ。「さまざまな技法を用い、加賀蒔絵の王道を行く作品に仕上げた」と胸を張った。
釣具漁具製造販売のヤマリア(横浜市)がルアーの型を提供し、全国の展示会で紹介する。年内に商品化し、価格は2個セットで7~14万円となる見通しという。