北陸新幹線(長野経由)金沢延伸に向け、JR東日本と西日本が共同開発した新型車両E7系(W7系)。車体や内装のデザインを監修したのは、高級スポーツカーのフェラーリを手掛けたことで世界的に知られる工業デザイナーの奥山清行さん(55)=山形市出身=だ。奥山さんは新型車両で北陸の伝統文化を表現したと説明し、「自分の鉄道デザインの集大成。これ以上は無理というものを成し遂げられた」としている。
E7系の外観は、白色の車体に銅色のラインが走り、先端部が青いのが特徴。奥山さんは「北陸でイメージするのは、長く続いてきた『ものづくり』の伝統。陶磁器の柔らかい白、銅文化の銅色、北陸の海と空の青で、その文化を象徴した」とする。
内装は、金沢の文化に着目して着物を連想させるデザインに。先頭は「最高峰の技術」というアルミの削りだしで騒音の少ないシンプルな流線形を実現した。
自ら手掛けるデザインの哲学は「モダン、シンプル、タイムレス」。新しく、洗練され、長きにわたって世に残るデザインをいつも狙う。完成した車両に「シンプルなのにかっこいい、後世に残るものになった」と自信を見せる。
奥山さんは信濃毎日新聞に「新幹線は老若男女問わず利用される『みんなのもの』。お子さん達が目を輝かせて写真を撮っている様子は携わったものとしてとてもうれしい。ぜひ楽しんで乗ってほしい。将来大阪までつながる環状線になり、多くの人の脚として、どんどん利用していただけることを楽しみにしている」とのコメントを寄せた。