北陸新幹線(長野経由)の長野―金沢間228キロ(営業距離)が14日、開業した。これまで在来線の乗り継ぎで約3時間半かかっていた同区間は、速達型の「かがやき」で最速1時間5分と大幅に短縮された。飯山市には県内唯一の新駅となる飯山駅が開業。同駅など沿線各駅は大勢の住民らが参加してセレモニーを開き、新幹線の新たな時代の到来を祝った。
延伸開業に合わせ、JRから経営分離された信越線長野―直江津間のうち、長野―妙高高原間は第三セクターのしなの鉄道(上田市)が経営を引き継ぎ、「北しなの線」として同日に開業した。
北陸新幹線の長野発金沢行きの一番列車「はくたか591号」は、定刻通り午前6時11分に出発。飯山駅などを経て、同7時38分に金沢駅ホームに滑り込んだ。
北陸新幹線は、従来「長野新幹線」として営業していた高崎―長野間(117キロ)が1997年10月に先行開業。長野―金沢間(総工費1兆7800億円)と合わせた営業距離は345キロになった。
営業運転には、JR東日本、西日本が共同開発した新型車両のE7(W7)系を投入し、最高時速は260キロ。速達型「かがやき」と停車型「はくたか」のほか、長野新幹線区間を引き継ぐ「あさま」、富山―金沢間を走るシャトル型「つるぎ」がある。
14日午前5時40分すぎから長野駅の新幹線ホームで開かれた「出発式」には、阿部守一知事や本田勝・国土交通事務次官らが出席。JR東日本の内田浩二・執行役員長野支社長はあいさつで「首都圏と北陸のお客の流れが活発になる。県内の交通事業者や自治体と協力して、たくさんのお客が来るように取り組む」と強調した。
一方、しなの鉄道は14日午前8時55分から「北しなの線」の出発式を長野駅ホームで開催。藤井武晴社長は「北しなの線は地域に必要な路線。安全安心の輸送を最優先に、地域に愛される鉄道を目指したい」とあいさつした。