福井県あわら市のおもてなしキャラクター「湯巡権三(ゆめぐりごんぞう)」が、民間会社が行った「みんなで選ぶ第7回温泉大賞」の「温泉ご当地キャラクター部門」で3位に入った。昨年11位からの躍進で、投票の内訳は大都市圏からが大半。北陸新幹線で全国から注目が集まったほか、これまでの"県外出張″などが実を結んだ結果と言えそうだ。(児島崇之)
権三は、同市のまちづくり団体「あわら湯けむり創生塾」の公式キャラクターとして2006年に誕生。頭にのせた湯おけと愛くるしい表情が特徴で、11年には市から「あわらおもてなしキャラクター」に任命された。
温泉大賞は、インターネット接続業者(プロバイダー)のビッグローブ(東京)が毎年企画。ことしは1月7日~2月18日にネット投票を受け付け、全国約2万3500人から投票があった。
キャラクター部門はことしで2回目。1人3体まで選ぶことができ、総投票数は4万2893票だった。全国から26体がエントリーし、権三は2563票を集め3位になった。1位は5398票を集めた草津温泉(群馬)の「ゆもみちゃん」。
また、全国約2千の温泉地の東西ごとのランキングでは、「あわら温泉」は西の15位(昨年20位)。そのほか、西の6位に和倉温泉(昨年8位)など石川県の温泉地の多くが昨年よりランクアップしており、同社は「北陸新幹線金沢開業の影響では」と分析している。
一方、権三への都道府県別の投票率をみると、1位が東京(11%)、2位大阪(9%)で神奈川、愛知と続き、本県からの投票は99票で約4%にとどまり、大半が県外票だった。創生塾の11年からのまとめによると、権三の出動回数は年々増え、昨年は52回で11年の約3・5倍。そのうち14回があわらのPRのために出向いた東京や大阪などの県外だった。
創生塾の担当者は「いよいよ権三が全国にも浸透してきた」と喜び、「権三は一目で温泉をイメージさせるキャラクター。これからもあわら市、芦原温泉への誘客に一役買ってもらいたい」と期待している。