しなの鉄道(上田市)は22日、北陸新幹線(長野経由)の金沢延伸に伴ってJR東日本から旧信越線の一部の経営を引き継いだ「北しなの線」(長野―妙高高原)の開業記念イベントを、沿線5駅で開いた。しなの鉄道の人気観光列車「ろくもん」を初めて長野以北で走らせ、各駅で無料の車内見学会を開催。多くの家族連れらでにぎわった。
見学会は北長野、三才、豊野(以上長野市)、牟礼(上水内郡飯綱町)、黒姫(同郡信濃町)の5駅で開かれた。訪れた約1500人は、県産木材をふんだんに使った内装に触れ、「電車とは思えない」などと話しながらカメラのシャッターを切っていた。
黒姫駅で3人の孫と一緒に見学した信濃町の会社員大草剛さん(61)は「(北しなの線は)孫もいずれ通学などで使う地域の大事な足。ろくもんで盛り上げてほしい」と話していた。
ろくもんは、デザインを九州新幹線「つばめ」などで知られるデザイナー水戸岡鋭治さんが担当。昨年7月から軽井沢―長野間で週末を中心に運行している。しなの鉄道は、北しなの線でのろくもんの定期運行について「検討中」としている。