紫式部人形と、新しい十二単を製作した三田村さん=越前市の藤波亭

紫式部人形と、新しい十二単を製作した三田村さん=越前市の藤波亭

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式部人形 和紙装束7年ぶり一新 越前市

福井新聞(2015年3月27日)

 越前市東千福町の紫式部公園休憩所「藤波亭」にある紫式部人形に着せられている越前和紙の十二単(ひとえ)が新調された。近くの紫式部公園に咲き誇るフジと式部が好んだという紫を基調にした気品漂う色合いが特徴で、訪れた人の目を楽しませている。(小島茂生)

 紫式部人形は、日本民族衣裳源流会の三田村まつゑ代表(同市)が1997年、マネキンに和紙の十二単を着せて作製し旧武生市に寄贈。越前市の源氏物語千年紀にちなんだイベントが繰り広げられた2008年に衣装を着せ替えた。7年が経過し色あせが見られるようになったことから、三田村さんが新たに手作りした。
 新しい十二単は、白の小袖の上に紅のひとえを合わせ、濃淡のある紫と青で紫村濃(むらご)と呼ばれる五(いつ)ツ衣(ぎぬ)を重ねた。表着(うわぎ)は雲と春夏秋冬の草花の図柄を合わせた四季紋様、一番上に羽織る唐衣(からぎぬ)は源氏絵巻の絵図によく使われている雲取紋様をイメージして、濃い紫の雲の図柄の和紙を選んだ。
 半畳程度の大きさの和紙を継ぎ合わせ、重ねた着物は9枚。制作には約2カ月を費やした。
 「平安時代の独特の紋様が和紙の図柄になく使えなかったのは残念だったが、マネキンにはメークも施しとても品のある姿に仕上がった」と三田村さん。「ゆかりの地で式部の人物像に思いを巡らせてもらえれば」と話している。

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