白い布で覆われた回向柱が立つ元善光寺境内

白い布で覆われた回向柱が立つ元善光寺境内

長野県 伊那路 祭り・催し

飯田の元善光寺御開帳、準備進む 5日開幕へ「おもてなし事業」

信濃毎日新聞(2015年4月1日)

 飯田市座光寺の元善光寺で7年目に一度の御開帳(4月5日〜5月31日)が近づいてきた。境内には白い布で覆われた回向柱(えこうばしら)が立てられ、多くの参拝者を迎える準備が進む。地元住民でつくる「麻績の里振興委員会」や地元商工団体は、約2カ月にわたる御開帳を盛り上げようと「おもてなし事業」を企画。にぎわいへの期待が日に日に高まっている。

 長野市の善光寺と同じ時期に御開帳を行う元善光寺は、4月5日に開扉大法要を開催。▽4月26日、中日大法要▽5月10日、慰霊祭大法要▽5月31日、結願(けちがん)大法要―を予定している。

 回向柱は期間中、前立本尊と「善の綱」で結ばれる。本多秀賢住職(73)は「回向柱は本尊の御分身。回向柱に触ると本尊に触れたのと同じ御利益がある。真摯(しんし)な思いを持ってお参りいただければ必ず御利益がある」と話す。

 前回の御開帳では約40万人が訪れたとされ、地域でも参拝者を迎える準備が進む。飯田観光協会は期間中、臨時観光案内所を境内に設置。職員が常駐して、飯田下伊那地域の観光案内に当たる。

 飯田商工会議所座光寺支部は、全国から訪れる参拝者に向け、境内の売店で地元農産物などを販売する。元善光寺や桜などの風景写真を印刷したオリジナルの切手シート(82円切手10枚付、定価1700円)も売り出す。櫛原綱由(つなよし)支部長(63)は「元善光寺は座光寺のシンボル。みんなで協力して盛り上げたい」と意気込む。

 麻績の里振興委員会は本年度、参拝者をもてなすためA3サイズを三つ折りにしたパンフレット「おもてなしマップ」を作った。観光客に座光寺を満喫してもらおうと、地元名物のシダレザクラ「舞台桜」や、地区内の古墳や恒川官衙(ごんがかんが)遺跡(国史跡)といった見どころを紹介。お薦めの飲食店や土産品店も載せた。

 同委員会は期間中、元善光寺に続く道沿いに花のプランターも飾って参拝者を出迎える。飯田市上郷飯沼・座光寺はリニア中央新幹線の県内駅建設が予定されていることから、今村衛委員長(80)は「こういう場所を訪れたい、住んでみたい、と思っていただける地域にしたい」。リニアの通る将来も見据え、御開帳を契機に座光寺の魅力をPRするつもりだ。

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