JR東日本は4日、飯山線を走る新しい観光列車「おいこっと」の運行を開始した。山や川、田園風景が広がる沿線の風景を楽しんでもらい、3月に開業した北陸新幹線(長野経由)飯山駅(飯山市)とともに、地域の観光振興につなげたい考え。土・日曜日や5月の大型連休中に長野―十日町間を1日1往復する。
おいこっとは既存車両を改造し、古民家の雰囲気を持たせた車両。定員76人で、この日は満席となった。列車にはもんぺ姿のアテンダントや地元の合唱団員が同乗し、野沢菜の漬物を振る舞ったり、歌を披露したりした。飯山駅ではホームで地酒や甘酒をサービス。森宮野原駅(下水内郡栄村)では、駅前にある高さ7・85メートルの「日本最高積雪地点」の標柱前で記念撮影の時間を取った。
夫婦で乗車した岡谷市の内海保子さん(47)は「車内はかわいい感じで、野沢菜もしゃきしゃきしておいしかった」と楽しんでいた。
飯山駅では、おいこっと入線に合わせて出発式を開き、沿線の長野・新潟両県の8市町村の首長らがくす玉を割って運行開始を祝った。飯山市の足立正則市長は「沿線には日本の古里の風景がちりばめられている」とあいさつし、新しい観光資源に期待を寄せていた。