伊那市高遠町の高遠城址(じょうし)公園でタカトオコヒガンザクラが見頃となり、市は9日、開花状況を「満開」とした。このところの雨や前日の雪に耐えた花は久々の陽光にきらめき、上空からは、濃淡のあるピンクの丘が浮かび上がるように見えた。
市高遠町総合支所によると、この日は、入園が有料となった開花宣言翌日の6日以降で一番の入り込み。公園周辺の一般駐車場は満車になった。来週中ごろまでは見頃が続くとみている。
観桜客は、青空と残雪の中央、南アルプス、桜を写真に収めたり、腰を下ろして一面に広がる桜をゆっくり眺めたり。妻と訪れた埼玉県狭山市の加藤愛二さん(65)は今春、教員を退職した。新学年が始まる4月は忙しく、遠出して桜を見る機会がなかったといい、「やっと来ることができた。地元に咲いている桜とは種類が違い、色が濃い」と花を見上げた。
今年は市観光協会が中心となり、初めて三の丸を催し広場とし、無料休憩所も設けた。11、18日は抹茶体験、12日は着物ショー、17、18日はご当地グルメ販売などを予定している。