福井県越前町宮崎地区の特産タケノコの収穫が13日早朝、同町蚊谷寺、広野の竹林で始まった。初日は長さ約30~40センチのみずみずしいタケノコ約160キロが出荷された。
同地区のタケノコは土壌が粘土質の赤土であることから「赤子(あかこ)」と呼ばれる。アクが少なく甘みがあり、軟らかいのが特長。80軒ほどのタケノコ農家は朝昼2回出荷するため、午前5時ごろから作業を始める。
この日、武田哲さん(65)=蚊谷寺=の竹林のあちこちでタケノコが土から3~5センチほど顔を出していた。武田さんは専用のくわで周りを丁寧に掘り、収穫。その日のうちに同町樫津の農作物直売所「おもいでな」と、福井市風巻町のJA農作物直売所「丹生膳野菜」に出荷した。1キロ600円前後で販売される。
ことしは裏年にあたり収穫量は昨年より約40トン少ない約60トンを見込む。収穫のピークは4月中旬~5月初旬。武田さんは「朝掘ったものをゆでて食べる刺し身は格別においしい」と話していた。