「タトゥーカバーシール」の試験導入について説明する星野代表(左)=15日、都内

「タトゥーカバーシール」の試験導入について説明する星野代表(左)=15日、都内

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タトゥー隠せば入浴OK 星野リゾート、シール試験導入へ

信濃毎日新聞(2015年4月16日)

 ホテル、温泉旅館運営の星野リゾート(北佐久郡軽井沢町)は15日、体にタトゥー(入れ墨)がある客も、専用のシールで覆い隠せば運営する温泉旅館の大浴場を利用できるようにすると明らかにした。現在は大浴場への入浴を断っているが、入れ墨の文化がある国の観光客も増えると見込んで試験導入するという。星野佳路代表は「インバウンド(海外誘客)が増える時代に、全国の温泉事業者らが一緒に考え、新しいルールをつくらないといけないのではないか」と問題提起した。

 同日、都内で開いた新規事業発表会で明らかにした。11月までに全国13カ所に増やす「界」ブランドの温泉旅館が対象で、10月から順次、希望する客に無料で配る。シールは「タトゥーカバーシール」と呼び、縦8センチ、横10センチ。星野代表は「この面積に収まるタトゥーなら入浴してもらえる」と述べた。

 星野代表は「ニュージーランドの(先住民)マオリのように、民族的、文化的な理由でタトゥーを入れた人が日本に観光に来て、温泉に入れない状態があってはいけない」と指摘。問題意識を社内に投げ掛けたところ、シールのアイデアが挙がったという。

 試験導入によって利用客らの反応を探る方針。日本で入れ墨の客を制限している入浴施設があることについて、星野代表は「衛生的な問題ではなく、見た人の不快感が最も大きな理由」と説明し、シール導入が「利用客にどう理解されるかはこれからの課題」と述べた。その上で「全国の温泉事業者、政府、温泉ファンも含め、一緒に考える機会に」と呼び掛けた。

 北海道恵庭市では2013年9月、顔に入れ墨のあるマオリで、マオリ語講師の女性が温泉施設への入浴を断られたケースがある。関係者が「入れ墨は反社会的なものではない。差別なのではないか」と抗議。温泉施設側は「伝統文化であっても、一般の方からすれば入れ墨の背景は判断できない」とした。

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