坂井平野などが望める吉野ケ岳の山頂=永平寺町

坂井平野などが望める吉野ケ岳の山頂=永平寺町

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吉野ケ岳、気軽に登って 住民が整備、あす山開き

福井新聞(2015年4月17日)

 泰澄大師が開いたとされる越前五山の一つで、福井県永平寺町にある吉野ケ岳(547メートル)。福井市からも近く、気軽に登れる山だが意外と知られていない。この山を多くの愛好者に楽しんでもらおうと、登山道の入り口がある地元の松岡上吉野では毎年、住民有志が登山道の整備などを行っている。18日に山開きがあり、参加を呼び掛けている。

 吉野ケ岳頂上の手前にある本殿に「蔵王大権現」像がまつられていることから、地元では「蔵王山」と呼んで親しんでいる。福井市東部の小学校歌には「蔵王山」の言葉が盛り込まれており、古くから一帯のシンボル的な山だったことがうかがえる。

 麓から歩くと40~50分、林道を使って車で中腹まで行ってから歩くと20分ほどで拝殿や本殿に着く。尾根伝いにさらに登ると山頂に到着し、福井市北部や坂井平野を一望できる。見通しが良い日には日本海やあわら市北潟の風力発電所の風車を望める。

 気軽に登れて眺望も良いが、越前五山のほかの四つの山(白山、文殊山、日野山、越知山)と比べて、知名度は「一番低い」と地元住民は口をそろえる。

 住民有志が毎年、4月から定期的に登山道や林道、拝殿周辺の草刈りなどを行っている。また拝殿や本殿を守ろうと、修理する資材を運ぶための作業道を整備する計画を立て、保存活動にも力を入れている。

 山開きを控えた12日、約30人が参加して登山道や拝殿の清掃を行った。種本甚平さん(64)は「1300年の歴史ある山を大切に守っている。ハイキングコースとして登れるので、多くの人に来てほしい」と話している。

 山開き(蔵王山祭り)は18日午前10時からで、神事などを行う。登山者には、おはらいを済ませた記念のお札をプレゼントする。

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