現代芸術研究会が空き家を改修してオープンした事務所兼ギャラリー=福井県南越前町牧谷

現代芸術研究会が空き家を改修してオープンした事務所兼ギャラリー=福井県南越前町牧谷

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空き家改修、芸術拠点に 南越前に整備、教室や滞在制作も

福井新聞(2015年4月17日)

丹南地域を中心に活動する現代美術作家らでつくる「現代芸術研究会」は、福井県南越前町牧谷の空き家を改修し、このほど事務所兼ギャラリーとしてオープンした。新たな芸術文化の発信拠点としたい考え。開設記念展「八田豊と福井の作家たち」を5月10日まで開いている。開館は土、日曜のみ。

 同研究会は越前市の八田豊さん(84)を代表に、作家や有志約20人で構成。「丹南アートフェスティバル」「素材と表現展」などの作品展を核に活動してきた。

 空き家は、10年ほど前に亡くなった越前市の造形作家前澤廣道さんが、生前アトリエとして利用していた。木造2階建てで、延べ床面積は約150平方メートル。親交のあった八田さんが遺族から購入した。

 築60年以上の建物で傷みが目立っていたため、瓦のふき替えや床の張り替えなど、会員も協力して1年ほどかけて改修。1階を事務所とギャラリー、2階を作品の保管庫にした。

 今後、展示会開催のほか、地元の子どもたちを対象にした絵画教室なども構想している。また今夏は米国在住の日本人女性作家が滞在し、作品を制作する予定。

 八田さんは「みんなの協力で立派なギャラリーができた。芸術を通して人が集まり、地域が活性化するような場所になれば」と話している。

 記念展には八田さんら福井の作家18人のほか現代美術作家、堀尾貞治さん(神戸市)ら3人が特別出品している。紙や木、金属を素材にした約30点を並べている。

 幾何学模様を刻みゆがんだ空間イメージを感じさせるカービング作品や、墨の濃淡で立体的な波紋を浮かび上がらせた和紙作品など多彩だ。入場は無料。開館は午前10時~午後3時。

 「丹南アート上牧谷ギャラリー」はだれでも利用できるが、事前申し込みが必要。問い合わせは同会事務局の坂口さん=電話090(3766)7513。

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