直江津-小木航路に21日就航する「あかね」。観光への効果に関係者の期待が集まる=佐渡市の小木港

直江津-小木航路に21日就航する「あかね」。観光への効果に関係者の期待が集まる=佐渡市の小木港

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直江津-小木「あかね」21日就航 佐渡観光ツアー続々 北陸新幹線と相乗効果

新潟日報(2015年4月17日)

 佐渡汽船の直江津-小木航路に21日から就航する新造高速カーフェリー「あかね」を使った観光ツアーが人気を集めている。あかねの就航で運航ダイヤが充実し、所要時間も短縮。旅行会社は北陸新幹線と組み合わせた新商品で誘客を図る。佐渡観光は苦戦が続くだけに、県内の観光関係者は「あかね効果」に期待を寄せている。

 あかねは1日2往復し、直江津-小木間を従来より1時間早い1時間40分で結ぶ。これまでのダイヤは偶数日と奇数日で運航便が異なり、観光関係者からは「ツアーが組みにくい」との声が上がっていた。

 「9月まで予約を取っているが、60~70代を中心に既に千人を越えている」。阪急交通社(大阪)の担当者は手応えを感じている。同社のツアーは大阪発で北陸新幹線とあかねを乗り継ぎ、宿根木や佐渡金銀山を巡る人気商品の一つだ。

 佐渡汽船によると、あかねを使った大手旅行会社のツアーは同社を含めて20以上あり、今後も伸びるとみられる。

 佐渡観光協会の加藤透観光戦略本部長は「関西方面のツアーは特に好調で北陸新幹線とあかねで往復する企画が多い。今まで少なかった個人客用の商品も出てきた」と話す。

 一方、関東方面は、あかねと新潟-両津航路、北陸、上越の両新幹線を乗り継ぐ周遊型のツアーが目立つ。県観光協会の吉川孝之常務理事は「北陸新幹線開業で金沢、富山に関心が向きがちだが、二つの地域にない魅力があかねでの船旅だ」と指摘する。

 ただ、あかねを使った周遊観光では、佐渡以外の県内観光地に滞在・宿泊するツアーは少ない。首都圏の大手が企画した2泊3日のツアーでは、佐渡市と糸魚川市に宿泊するものの、糸魚川での観光は盛り込まれていない。担当者は「金沢、富山を見るため糸魚川では時間が取れない。3泊4日にすれば料金も高くなる。現時点では料金に見合う魅力のある商品開発は難しい」とこぼす。

 吉川常務理事は「一度に各地を巡ることができなくても、次は新潟の別の場所を見たいというリピーターを確保したい」と話している。

◎新潟-両津 直江津-小木 7月末まで運賃割引 ネット予約で最大6割安く

 あかねの就航に合わせ、県は16日までに、新潟-両津、直江津-小木の両航路などの運賃割引を実施すると発表した。あかねが就航する21日から7月末まで、インターネットの特設サイトで受け付ける。車を運ぶ際の往復運賃が最大約6割引きとなるほか、大人運賃は2人以上の利用で1人当たり往復2千円割り引かれる。

 割引対象となるのは両航路に加え、両航路を使って佐渡と新潟を行き来する「周遊」の三つ。20日に開設されるインターネット宿泊予約サイト「楽天トラベル」の特設サイトを通して、2人以上で島内の宿泊施設を予約しカーフェリーの乗船券を購入する時に申込書を提出する。

 運賃割引を利用した場合、車は大きさや航路によって通常運賃から2830~2万4500円安くなる。バスやトラック、バイクなどは対象外。

 新潟-両津航路を往復すると、大人は1人当たり5020円が3020円に、直江津-小木航路は7130円が5130円になる。

 問い合わせは佐渡汽船予約センター、025(245)6122。

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