後期印象派を代表する仏の画家ゴーギャンと、彼の周りに集まった若い画家たちに焦点を当てた「ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち」展が、福井市の県立美術館で開かれている。印象派を超える表現を追い求め、美術史の大きな転換点となった個性的な作品が訪れた人をくぎ付けにしている。5月31日まで。
ポン=タヴァンは仏北西部ブルターニュ地方にある小村で、ゴーギャンは1880年代を中心に繰り返し訪れた。同村の美しい景観と独特の伝統文化は多くの若い画家を引きつけ、後に「ポン=タヴァン派」と呼ばれるようになった。
同展は、ゴーギャンの油絵、版画、スケッチ、陶器の計12点をはじめ、ポン=タヴァン派の27作家約70点を紹介している。創作の足跡をたどるように、四つの章に分けて展示。ゴーギャンらが日本の浮世絵の影響も受けながら、「総合主義」といわれる新たな絵画理論をつくり出す過程が作品を通してうかがえる。描かれた明るい光と変化に富んだブルターニュ地方の景観も目を引いていた。
福井市の会社員女性(35)は「ゴーギャンの名前は知っていたが、これまで作品を見る機会はなかった。年代ごとに絵に込めた思いの違いが感じられた」と話していた。
同展は一般1千円、高校大学生700円、小中学生500円。関連イベントとして25日、5月2日の午前11時から同美術館の学芸員によるギャラリートーク、両日を除く会期中の土日祝日の午前11時から見どころ解説会を開く。問い合わせは同美術館=電話0776(25)0452。