石動曳山(ひきやま)祭は29日、小矢部市中心部であり、絢爛(けんらん)豪華な11基の花山車(はなやま)が勢ぞろいし、街なかを練った。夜にはライトアップされ、大勢の観光客を魅了した。北陸新幹線が開業し、7月に市内で北陸初のアウトレットモールがオープンするとあって、各山町の関係者は例年にも増して勇壮に引き回し、小矢部の発展を願った。
11の山町の自慢の花山車が午後3時、市商工会館前に集合。石動曳山連盟(赤野周右会長)の巡行式に続き、中心部に繰り出した。車輪のきしむ音やにぎやかな笛や太鼓の音が響いた。
花山車は夕方には提灯(ちょうちん)山となり、再び商工会館前に勢ぞろいし、ライトアップされた。石動高校吹奏楽部が演奏で盛り上げた。花山車の試乗体験もあり、訪れた観光客が楽しんだ。
祭りは江戸時代後期から続くとされる愛宕神社の春季例祭。彫刻や金工などの装飾を施した花山車は市指定文化財となっている。
■市観光協会が観光モニターツアー
石動曳山祭に合わせ、小矢部市観光協会は29日、観光モニターツアーを行った。愛知や岐阜県の20人が花山車の試乗体験に参加し、小矢部の伝統文化に触れた。
巡行出発に合わせ会場を訪れ、夜はライトアップを見学。中新田町の花山車に試乗した。
名古屋市の岸末子さん(68)は「歴史の深さや住民のパワーを感じた」と話した。ツアーは30日までの日程。30日は大谷博物館や源平倶利伽羅古戦場などを巡る。