国重要有形・無形民俗文化財「高岡御車山(みくるまやま)祭」が1日、高岡市中心部で行われ、金工や漆工など伝統工芸の技を駆使した山車(やま)7基がまちを華やかに彩った。北陸新幹線が開業し、山町筋に高岡御車山会館が開館して初めての御車山祭とあって、県内外から大勢の観光客らが訪れ、日本遺産に認定された高岡の町民文化を代表する祭りの伝統美を堪能した。
通町、御馬出(おんまだし)町、守山町、木舟町、小馬出(こんまだし)町、一番街通、二番町の山車7基は午前11時ごろに坂下町に集合。坂下町の源太夫(げんだい)獅子の先導で、正午に片原町交差点に勢ぞろいした。
7基の前で宮崎甚一高岡御車山保存会長が「私たちは素晴らしい山車を後世に伝承する義務がある。維持保全に努めてきた集大成をご覧いただきたい」とあいさつ。高橋高岡市長は「世界に誇る文化資産としての位置付けを目指したい」と述べた。橘慶一郎全国山・鉾(ほこ)・屋台保存連合会長、岐阜県の小川敏大垣市長、夏野射水市長、本川氷見市長、北陸新幹線の沿線都市の関係者ら来賓約160人が出席した。
観光客らが見守る中、山車は国重要伝統的建造物群保存地区の山町筋などを車輪をきしませて進んだ。高岡御車山会館前は特ににぎわい、大勢の人がその迫力を楽しんだ。
同祭は、加賀藩祖の前田利家が豊臣秀吉から譲り受けた鳳凰(ほうおう)の飾りが付いた乗り物を、2代利長が高岡開町の際に町民に与えたのが始まりとされる。無形と有形の両方の重要民俗文化財に選定されているのは全国で5件のみ。