養蚕と和紙作りで栄華を極めた江戸時代の町人文化を今に伝える「越中八尾曳山(ひきやま)祭」が3日、富山市八尾町中心部であり、豪華な彫刻や彫金が施された6基の曳山が坂の町を練り回った。
6基は聞名寺(今町)の境内に整列。神事の後、各町の引き手が「ほりきのみっつのようかんぼう」の掛け声で綱を引いた。古式ゆかしい囃子(はやし)が奏でられ、鏡町の獅子舞を先頭に巡行した。
曳山は、木製の車輪をきしませ、2階部分に付けた和紙の飾りを揺らしながらゆっくりと進んだ。曲がり角では、男衆が力を合わせて向きを変える「角回し」を行い、沿道の観衆が歓声を上げた。
夜は、ちょうちんをつり下げて練り回した。
越中八尾曳山祭は八尾八幡社(下新町)の春季祭礼で、約270年の歴史がある。6基はいずれも県有形民俗文化財に指定されている。