立山・室堂周辺では今春、国特別天然記念物「ニホンライチョウ」の目撃が相次いでいる。例年より雪解けが早いことが関係しているとみられる。特につがいでの目撃が多く、5日もみくりが池近くに姿を見せ、観光客を喜ばせた。
立山自然保護センターによると、4月16~30日に目撃されたライチョウは延べ464羽(昨年同期385羽)。このうち、つがいは昨年が全体の約25%だったのに対し、今年は5割以上を占めた。
富山雷鳥研究会事務局長の松田勉さん(63)は「雪解けが早いと餌場が広がり、人目に付きやすいのではないか」とみる。つがいでの目撃が多い理由は不明という。
5日午前、みくりが池周辺につがいが姿を現すと、観光客らが盛んにカメラのシャッターを切った。相模原市の会社員、依田昌之さん(58)は「2羽が寄り添う姿がとても愛らしい」と感激していた。
環境省は今年から南アルプスの生息地でライチョウの子育て支援に取り組む。同省は人工飼育も始めることにしており、富山市ファミリーパークと上野動物園(東京)が飼育施設に選ばれている。