南砺市福光の市指定文化財「福光城址・栖霞(せいか)園」の保存修理工事完了を記念した顕彰献茶会が6日、現地で開かれた。住民らが、歴史を感じさせるたたずまいを残したまま郷土の宝が修復されたことを祝い、福光の発展に尽くした先人をしのんだ。北日本新聞社後援。
栖霞園は江戸末期に整備されたとみられる茶室建築の母屋と、大正期に増築された離れなどからなる。工事では傾いたり沈んだりした柱を起こし、屋根の瓦を当初のこけらぶきに近づけるため、こけら風の銅合金の板にふき替えるなどした。工期は昨年7月から今年3月。
茶会は地元の文化活動グループ「福光城址・栖霞園をひらく会」(土生居宏会長)が開催。工事を監修した上野幸夫職藝学院教授が建物の部材や構造について説明した。桁や腰板に虫食いの跡が均一に残る貴重な木材を使っていることなどを紹介し「積極的に活用し維持していくのが効果的」と呼び掛けた。
茶室と野だての茶席を設け、福光茶道協会(定村和枝会長)の会員がお点前を披露した。尺八や箏、しの笛の演奏もあった。