福井県越前市のご当地グルメ、ボルガライスの業務用ソースがオタフクソース(本社広島市)から全国発売され12日、越前市内で披露された。普及に取り組む同市の市民団体「日本ボルガラー協会」と共同開発した。同協会によると関連商品が年間を通じ全国で販売されるのは初めて。
商品は1本1200グラム(約20食分)入りで、肉汁を元にしたグレービーソースのコクとトマトのうまみを配合した、デミグラス風のソース。豚カツにかけるだけでなく、オムライスのご飯の味付けにも使い、このソースだけで本格的なボルガライスを作れるという。
オタフクソースから昨年12月、同協会に商品開発の提案があった。同社の担当者が市内の飲食店を食べ歩き、味のバランスなど協会の意見を取り入れて試作を重ね、5月11日に全国発売した。
商品のボトルには「福井」「福井県越前市ご当地グルメ」「日本ボルガラー協会公認」の文字が入り、一目で本県や越前市発の商品ということが分かる。
同社によると販売対象はレストラン、居酒屋などの飲食店やスーパー、コンビニなど。新幹線効果で北陸への注目が高まっている"追い風"もあり、関東エリアを中心に反応がいいという。
12日に同市生涯学習センターで開いた会見で、開発を担当した同社マーケティング部の平賀耕介さん(35)は「これからボルガライスを出したいというお客に提案していきたい。食べた人が本場の越前市を訪れ、観光にもつながれば」と話した。
全国での商品販売としては、2年前の大手コンビニによるボルガライス弁当に続き2例目。ただし、このときは2週間の期間限定だった。
同協会の波多野翼会長(30)は「福井県越前市のご当地グルメとして全国的にボルガライスが広がっていく。(5年前の協会)立ち上げの時『ソースがあるといいね』と冗談でメンバーと話していたが、本当になるとは」と喜びを表していた。
1本900円(税抜き)で1年目の販売目標は約1万本。同社のオンラインショップで購入できる。今後は家庭用商品の販売も視野に入れているという。