再現された江戸時代の「饗応膳」。ブリやタイといった日本海産の魚のほか、ウグイなど地元の食材も並ぶ

再現された江戸時代の「饗応膳」。ブリやタイといった日本海産の魚のほか、ウグイなど地元の食材も並ぶ

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姫のもてなし膳再現 安曇野の博物館が企画展で公開へ

信濃毎日新聞(2015年5月13日)

 安曇野調理師会(安曇野市)の調理師3人が12日、江戸時代に地元の庄屋が松本藩の姫をもてなしたとされる「饗応膳(きょうおうぜん)」の献立を再現した。安曇野市豊科郷土博物館が6月に開く食をテーマにした企画展に向け、同調理師会に協力を依頼。地元の川で捕れたウグイの煮しめや地元野菜の漬物、日本海から運ばれたブリの煮物など24品がずらりと並んだ。

 同館によると、饗応膳は1833(天保4)年、松本藩主・戸田家の娘貞(さだ)姫の一行が、小倉村(現安曇野市三郷小倉)の不動明王に参拝する途中、下長尾村(現同市三郷温)の庄屋松岡家で休息した際に出されたとされる。貞姫は当時5歳だった。レシピに当たる当時の文書を、松岡家が所蔵していたという。

 この日は文書を基に、調理師らが同市豊科の市豊科保健センターで実際に調理した。同調理師会技術部長の萩原等さん(64)=安曇野市=は「料理の彩りが派手ではないが、当時の料理人が素材の良さを生かしていることが分かる」と指摘。献立には当時手に入りにくかったタイの刺し身も含まれ、松岡家がそうした食材を入手できる財力がある家だったと説明した。

 豊科郷土博物館は、この日作った実物を基に展示用のサンプルを作り、6月27日から8月30日まで開く企画展「興味津々あづみのFOOD」で公開する。入館料は高校生以上100円。問い合わせは同館(電話0263・72・5672)へ。

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