伊那市高遠町の遠照寺(おんしょうじ)境内がボタンで華やいでいる。松井教一(きょういつ)住職(60)によると、気温が高いためか、例年より5日から1週間早く開花し、約160種、約1700株が咲きそろった。大輪の白や紫、ピンク、小ぶりの黄など「これだけいろいろな色を見られるのは珍しい」という。
松井さんの母智恵子さん(95)が1983(昭和58)年に3株を植えたのが始まり。檀家(だんか)が春に草を取り、秋には根元にわらを敷き、「自分の子どものように手を掛けてくれている」(松井さん)。遅咲きの黄色の花も今年は早く開き、支柱を立てるのが間に合わなかったほどだ。
19日、下伊那郡阿智村から親戚4人で訪れた水上甲夫(きねお)さん(81)は「久しぶりに来た。見たこともない色があった」と満足そう。前夜の雨で散った花もあり、松井さんは「あと1週間持つかどうか」と話していた。観覧料400円(中学生以下無料)。