第54回日本伝統工芸富山展が22日、高岡市美術館で開幕した。金工、漆芸、木竹工、陶芸、染織、人形、諸工芸の7部門で、熟練の技と現代の感性が光る162点が並んでいる。6月7日まで。日本工芸会、日本工芸会富山支部、高岡市美術館、北日本新聞社主催。
最高賞の日本工芸会賞に輝いた般若泰樹さん(金工、高岡)の「吹分盤(ふきわけばん)」をはじめ、支部会員や一般の入賞・入選作を展示。全国の重要無形文化財保持者(人間国宝)らが賛助出品し、高度な技による「用の美」が楽しめる。
会場には美術ファンらが続々と訪れた。氷見市南大町の主婦、井波照己さん(60)は「漆作品が好きで見に来た。すてきな作品ばかり」と見入り、毎年訪れるという高岡市鴨島町の自営業、荒俣勝行さん(72)は「技術が向上しており、入賞作品は今までと違う工夫があった」と話した。
開会式で日本工芸会富山支部長の永原功北陸電力会長と、高橋高岡市長、河合北日本新聞社会長があいさつ。村椿県生活環境文化部長、酒井立志高岡市議会議長が祝辞を述べた。審査員を代表し、重要無形文化財保持者の中川衛日本工芸会常任理事(石川)が「技術があるだけでなく、見る人に想像させる素晴らしいものがたくさんあった。ぜひ海外にも出てほしい」と講評した。村上隆高岡市美術館長が加わりテープカットした。
23日午前10時半からは、金工部門の支部会員の解説を聞きながら、実際に作品を手に取れる「触れる工芸品」コーナーを設ける。同日午後2時からは金工と陶芸の作品解説がある。開場は午前9時半~午後5時(入場は同4時半まで)。入場料は一般800円、65歳以上640円、大学生500円、高校生以下無料。