立山・室堂で、登山・観光客が特別天然記念物「ニホンライチョウ」と出合いやすくなるよう、県は今夏、目撃情報をリアルタイムで表示できるホームページ(HP)を開設する。ライチョウを見つけた人に現地から写真や位置情報を送信してもらい、HPに随時掲載していく仕組み。立山観光の魅力を高めるとともに、保護活動の重要性に理解を深めてもらうのが狙いだ。8月ごろの運用開始を目指す。
これまでは室堂の立山自然保護センターの壁掛け地図に印を付け、目撃場所を示していた。見つけてから地図に反映されるまで時間がかかるほか、同センターを訪れなければ分からないという課題があった。
県は本年度、HP開設に着手。見つけた人がスマートフォンやタブレット端末でライチョウの写真を撮り、日時や場所、コメントを添えて、現地からHPに投稿できるようにする。ライチョウを見たい人は、HP内の地図上に示された場所を頼りに現地に向かえば、目撃できる確率が高まるというわけだ。地図上の印をクリックすれば、投稿者の写真やコメントも見られるようにする。
スマホやタブレット端末のほか、従来型の携帯電話やパソコンでもHPにアクセス可能。外国人観光客向けに英語、中国語(繁体字、簡体字)、韓国語にも対応させる。
HPには、驚かさず静かに観察するといったマナーや、生態紹介のコーナーも設ける予定。平野雅治県自然保護課野生生物係長は「遭遇率アップと観察マナーの周知、保護意識向上という『一石三鳥』の効果が期待できる」と話している。