映画全盛時代の街の興奮を伝えるチラシ=敦賀市内

映画全盛時代の街の興奮を伝えるチラシ=敦賀市内

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50年代の映画館チラシ 敦賀の男性公開 ゴジラ、裕次郎、モンロー...467枚

福井新聞(2015年6月2日)

 「世紀の大怪獣、遂(つい)に敦賀上陸!」―。ゴジラや石原裕次郎、ジェームス・ディーンらが銀幕を飾った昭和30(1955)年前後の福井県敦賀市内の興奮を、今に伝える映画チラシが、数多く市内に残っている。約500枚を保管する男性は一般にも公開をはじめ「多くの人に知ってほしい」と話している。

 55年はNHK福井放送局でテレビ放送が始まる4年前で、映画が娯楽の王様だった時代。後にカラーテレビやビデオが普及するまで、市内にも本町1丁目や相生町などに「敦賀映画劇場」「国際劇場」「敦賀第一劇場」「敦賀東映」―と映画館が並んだ。

 映画チラシはこの4館のもので同じ物も含め計467枚。保存状態は良好で、年代の分かるものは少ないものの55年5月や57年1月の番組表が含まれることや、映画の公開年から、55年前後のものが多いとみられる。

 54年の第1作「ゴジラ」は敦賀第一劇場での公開。チラシは「敦賀上陸!」の文字とともに「死の放射能を吐き議事堂を押し倒す不死の大怪獣!」と見どころをアピール。鶴田浩二、三船敏郎の「男性No1」(55年公開)は「待ってました! 2大スターの顔合せ!」、石原裕次郎の「素晴(すばら)しき男性」(58年公開)は「北陸第一特別封切(ふうぎり)」などと、来館を誘っている。

 洋画もにぎやかに上映されていたようで、マリリン・モンローの「帰らざる河(かわ)」(54年公開)やジェームス・ディーンの「エデンの東」(55年公開)は単色刷りながら、スターの写真を掲げ、魅力を伝えている。

 ほかにも、敦賀座や相生座など、市内にあった芝居小屋のチラシも7枚ある。

 チラシはもともと市内の資産家が保管してきたもので、仕事で縁のあった男性が10~15年前に譲り受けた。現在は知人で同市白銀町で時計店を営む田代牧夫さんが預かり、店を訪れた人に見てもらっている。

 田代さんは「ポスターに比べ残ることは少ないチラシが、これだけ現存していることを知ってほしい」と話している。問い合わせは田代さん=電話0770(22)2903。

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