宮内庁で主厨長(しゅちゅうちょう)を務め「天皇の料理番」として知られる越前市出身の秋山徳蔵(1888〜1974年)が著した日本初のカクテル専門書から復刻したカクテルの提供が12日、越前市内のバー7店舗で始まった。7月末まで提供される。
徳蔵をモデルにしたテレビドラマの放映に合わせて、市が企画した。洋酒の普及にも先駆的に取り組んだ徳蔵の業績を広く知ってもらうのが狙い。
徳蔵はハイボールやジンフィズなどの作り方やグラスなどについて「カクテル(混合酒調合法)」(1924年刊)で紹介した。市はこのうち、フランスなどで飲まれていた「ジャパニーズカクテル/ミカド」を選び復刻した。
高級ブランデーのコニャックをベースに、アーモンドシロップやライムジュースなどを混ぜる当時のレシピを忠実に再現。甘めで飲みやすく、レモンの香りが広がる。
同市蓬莱町のチャーミーバーでは1杯千円で提供する。佐々木将文マスター(52)は「口当たりが優しく女性も飲みやすい。最初の1杯にもいいのでは」と話していた。
(青木孝浩)
ほかの店舗は次の通り。価格は店によって異なる。
▽コンセントバーセカンド(蓬莱町)▽シーエスト(東千福町)▽バー バンクエット(京町2)▽CUSTOMERS BAR 117(横市町)▽バー カムラード(家久町)▽スレイヴ(高瀬1)