清流にだけ育つ水生植物バイカモ(梅花藻)が、福井県越前市上真柄町の治左川で白いかれんな花を咲かせ始めた。川面に無数の花が広がり、流れに任せて涼しげに揺れている。
福井県域準絶滅危惧に指定され、県内ではほかに勝山市などの限られた地域でしか見られない。
同町付近は日野山などからの地下水が湧き、治左川の源流となっている。水温は年間を通して13度ほど。川底の小石がくっきり見え、バイカモを隠れ家にするヨコエビやトゲウオ科の魚トミヨが生息している。バイカモが群生するのは約200メートル。貴重な環境を守るため住民らが清掃を行っている。
福井市から初めて訪れた男性(74)は「水と花が本当にきれい。写真を撮るのに時間を忘れてしまいます」と夢中でシャッターを切っていた。
住民によると、7月上旬に見ごろを迎え、9月いっぱい楽しめる。