射水市新湊博物館の展示室内で祭壇を組み上げる大伴宮司(右から2人目)と放生津八幡宮文化財保存会のメンバー

射水市新湊博物館の展示室内で祭壇を組み上げる大伴宮司(右から2人目)と放生津八幡宮文化財保存会のメンバー

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県無形民俗文化財「築山行事」を再現 新湊博物館

北日本新聞(2015年7月9日)

 放生津八幡宮(射水市八幡町・新湊)が、秋の祭礼「築(つき)山(やま)行事」の祭壇を市新湊博物館(同市鏡宮)で展示する。祭礼を催す神社の境内以外に祭壇を設置するのは初めてで、10日からの企画展「奈呉の浦の祈り」のメーンに据える。同神社の大伴泰史宮司(52)は「新湊で大切に受け継いできた文化を多くの人に見てほしい」と話している。

 築山行事は県の無形民俗文化財。毎年10月2日朝、境内に設置された祭壇に主神の「姥(うば)神(がみ)」のほか毘沙門天と持国天、増長天、広目天の「四天王」を配置し、地域に関係した「飾(かざり)人(にん)形(ぎょう)」を置く。

 築山は仏教で世界の中心にあるとされる須(しゅ)弥(み)山(せん)を表しており、神道と仏教が一緒になった信仰を今に伝えている。

 祭壇は幅7・6メートル、奥行き3・6メートル、高さ5メートル。人形を配置すると博物館展示室の天井の高さを超えるため、八幡宮の氏子総代や役員らでつくる放生津八幡宮文化財保存会が新たに部材を作って祭壇を約2メートル低くし、室内に収まるよう調整した。

 7日に行われた設置作業には大伴宮司らが立ち会い、本番さながらの迫力ある祭壇を完成させた。室町時代の僧、堯(ぎょう)恵(え)が善光寺(長野県)に向かう途中、八幡宮近くの奈呉の浦で唄を詠んだとの故事にちなんだ飾人形を設置した。

 大伴宮司は「築山行事は新湊の曳山(ひきやま)に発展したと伝わる。この機会にゆっくりと祭壇を見て、新湊の歴史を感じてほしい」と期待している。

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