特別企画展の展示物を確認する学芸員=17日、福井県小浜市千種1丁目の山川登美子記念館

特別企画展の展示物を確認する学芸員=17日、福井県小浜市千種1丁目の山川登美子記念館

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短歌で辿る歌人、山川登美子の足跡 小浜市の記念館で特別展

福井新聞(2015年7月18日)

 福井県小浜市出身の歌人、山川登美子が詠んだ短歌から、足跡や心情をたどる特別企画展「旅する登美子」が18日から、同市千種1丁目の山川登美子記念館で開かれる。はかなさや夫への思いなどを込めた短歌15首で、登美子が訪れた地を"旅"することができる。10月12日まで。

 登美子は1879年、現在の同市千種1丁目で小浜藩士の娘として生まれた。95年に大阪の梅花女学校に入学し、そのころ出会った与謝野鉄幹が創刊した雑誌「明星」などに短歌を寄せた。

 特別企画展では、本県をはじめ29年の人生の中で訪れた関東から関西まで1都2府5県で詠んだ短歌のほか、仮祝言後に撮影した記念写真、愛用していた革製のかばんなど12点を並べた。

 登美子は夫・駐七郎(とめしちろう)と結婚して1年後、夫の結核の静養地として伊豆を訪れた。「伊豆の海に ふたりが影は歌か画か 相ほほゑむに 波のしづけき」の短歌には、看護でつらい時期でも二人には穏やかな波が寄せていると、温かい気持ちを込めているという。

 同市の中田那々子学芸員は「短歌や足跡を記したパネル、写真を見ることで短い人生の中で各地を歩いた登美子のバイタリティーを感じてほしい」と話している。

 午前9時~午後5時。火曜日休館(9月22日は開館)。大人300円、高校大学生200円。問い合わせは同記念館=電話0770(52)3221。

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