長野県下伊那郡阿南町新野に約500年前から伝わる「新野の盆踊り」(国重要無形民俗文化財)が14日夜、始まった。先祖の霊を供養する夏の夜の風物詩に、多くの住民や帰省した人たちが参加。16日まで毎晩、午後9時から翌朝6時ごろまで夜を徹して踊る。
初日は午後9時になると、やぐらの上から「音頭取り」の住民らによる盆唄が響き始め、浴衣姿などの人たちでつくる踊りの輪がゆっくりと進行。子どもからお年寄りまで一緒になって、ゆったりとした踊りを繰り広げた。
子どもによる音頭取りとして参加した地元の中学2年生は、毎年参加している盆踊りの魅力を「帰ってくる人たちも一緒になって踊れて、新野が明るくなる」と話していた。
盆踊りの期間中の15日は、若者有志が企画した婚活イベントも開かれる。新野高原盆踊りの会の山下昭文会長(68)は「若い人たちが盆踊りに興味を持って、にぎやかに楽しめるように考えてくれるのはうれしい」と感謝していた。