「くびき野レールパーク」でレトロな保管車両に体験乗車。園内に敷かれたレールは短いが、楽しい=上越市頸城区百間町

「くびき野レールパーク」でレトロな保管車両に体験乗車。園内に敷かれたレールは短いが、楽しい=上越市頸城区百間町

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[夏休みローカル線の旅]頸城区(上越市) 眺望、気動車"お宝"探し

新潟日報(2015年8月18日)

 北陸新幹線の開業に合わせて3月に発足した頸城区観光協会(上越市頸城区)。会長の井部辰男さん(72)らは「これまで他地域に出遅れてきたが、魅力的な観光資源はたくさんある」と意気込む。しかし...実際のところ頸城の観光スポットってどこ? 観光協会"入魂"のお勧めコースをたどってみた。

 午前9時50分ごろ、ほくほく線で大池いこいの森駅に到着。木陰の道を行くと、木の間から深い青緑色の大池が見えて来る。湖面を渡る風が涼しく、ほとりにはキャンプ場もあった。

 この池と頸城平野を一望できる展望スポットが、戦国時代に上杉謙信の支城だった雁金城(かりがねじょう)跡だ。観光協会スタッフの「眺めの良さは頸城一」との太鼓判に胸を躍らせ、登り口へ。が、夏草で覆われて通れそうにない。

 引き返し、山の反対側にある別の登り口から標高156メートルの山頂に立った。眼下に大池と、西には春日山がはっきり見え、「二つの城がのろしで連絡し合った」という説明にも納得だ。

 下山し、次は坂口記念館を目指す。"酒の博士"と呼ばれる故坂口謹一郎氏を顕彰する和風家屋で、日本酒の試飲や食事もできる。スマートフォンで検索すると、雁金城からは約4キロ、徒歩40分余りと出た。巡回バスは土日は休みだ。

 水田に囲まれた人けのない県道をひたすら歩く。「暑い!」。木陰のあるたびに休憩し、途中の商店でアイスを買い食いしたせいか、結局1時間半もかかって到着した。昼食に特産の「くびきの押し寿司(ずし)」をゲット。

 さらに歩いて、旧頸城鉄道の小型蒸気機関車コッペル号が保管されている「くびき野レールパーク」で食べた。疲れた体に、すし酢が染みる。途中で抜け目なく購入した名物の麩(ふ)まんじゅうは、皮がもちもちして冷たくておいしい。

 関東からの観光バス客が、ディーゼル気動車に体験乗車するというので一緒に乗せてもらった。つり革や窓枠がレトロでかわいい。管理を担う「くびきのお宝のこす会」の福田伊治さん(68)が「自走できる車両は全国にもそうない」と教えてくれた。歩きづめで足はパンパンになったが、たくさんの頸城のお宝を見つけた1日だった。

【メモ】帰りは直江津駅まで土日も運行の路線バスを利用した。くびき野レールパークから徒歩8分の海洋センター前バス停で乗り、20分余り。頸城自動車、025(543)3178。雁金城やレールパークについては頸城区観光協会、025(520)6121(土日祝休み)。坂口記念館の押し寿司は要予約。5人以上の予約で郷土料理のお膳も楽しめる。同記念館、025(530)3100。

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