秋祭りで奉納された風祈能の「一人翁」=19日、福井県若狭町気山の宇波西神社

秋祭りで奉納された風祈能の「一人翁」=19日、福井県若狭町気山の宇波西神社

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江戸時代から続く「風祈能」を奉納 福井県若狭町の宇波西神社

福井新聞(2015年8月20日)

 福井県若狭町気山の宇波西(うわせ)神社の秋祭りが19日、開かれた。五穀豊穣(ほうじょう)を祈る「風祈能(かざいのう)」が奉納され、県無形民俗文化財に指定されている「一人翁(ひとりおきな)」が厳かに上演された。

 風祈能は、台風の多い季節に収穫前の農作物が被害を受けず豊かな収穫を迎えられるようにと祈る舞。地元の伝統芸能を受け継ぐ「若狭能倉座」が江戸時代から奉納している。座員は若狭町、小浜市の50~80代約20人で年間10カ所の氏神に奉納している。

 一人翁では、狩衣を身にまとった第83代座長の福谷喜義さん(82)=同町能登野=が境内に設置した能楽堂に登場。漆塗りされた「面筥(めんばこ)」から翁の面を取り出して着け、神歌に合わせて扇を巧妙に操り、崇高な舞を披露した。その後、舞囃子(まいばやし)の「紅葉狩(もみじがり)」「山姥(やまんば)」、能楽の「吉野天人」を上演した。

 秋祭りでは絵画、陶芸、習字、短歌の作品展のほか、気山剣道教室が奉納試合をした。

 風祈能は20日、美浜町宮代の彌美(みみ)神社でも奉納される。

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