日本百名山の一つ、大野市の荒島岳(標高1523メートル)の谷あいに、雪でできた巨大なアーチが出現している。谷川の水が雪の壁の一部を解かしたことによる自然の造形美。7月中には消えてしまうのが普通で、お盆過ぎにお目にかかれるのは珍しいという。
場所は荒島岳の南側、標高650メートル付近の荒島谷と呼ばれる谷。切り立った周囲から雪が落ちて集まり、日もあまり当たらないため、雪渓があるという。
アーチは高さ約15メートル、幅約50メートル。冬場には倍近くの雪が積もっていたとみられる。地元の登山愛好家は「昨冬は雪)が多く、雨が少なかったため、この時季まで残ったのではないか」と話していた。
きれいなトンネル状に穴が開き、雪の壁の表面はでこぼこしている。背景の緑深い山と相まって、白いアーチはまるで芸術作品のよう。内部では雪が解けだして、水がひっきりなしに滴り落ちていた。
アーチは崩れやすくなっており、辺りは落石が多いため、訪れるには注意が必要。今月末までには消えるとみられる。