約200年前の製品を再現した越前箪笥。金具をふんだんに使った豪華な作りとなっている=福井県越前市観光・匠の技案内所

約200年前の製品を再現した越前箪笥。金具をふんだんに使った豪華な作りとなっている=福井県越前市観光・匠の技案内所

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200年前の越前箪笥を再現 指物組合理事長が展示

福井新聞(2015年8月21日)

 国の伝統的工芸品に指定されている越前箪笥(たんす)の歴史や技術を伝えていくため、越前指物組合の上坂哲夫理事長(72)=福井県越前市=はこのほど、約200年前の製品をモデルにした越前箪笥を作った。同市観光・匠の技案内所で、9月5日まで展示している。

 文政2(1819)年に作られ、旧今立町の旧家で見つかった箪笥を約半年かけ再現した。伝統的工芸品は100年以上続く技術・技法であることなどが要件にあり、これらの箪笥の発見が越前箪笥の指定につながったとされている。市が費用の2分の1の200万円を補助した。

 幅103センチ、奥行き53センチ、高さ92・3センチで、重さ約80キロ。元の箪笥に比べると小さい。底に車輪が付いた車箪笥と呼ばれる種類で、表面にはケヤキが使われ、漆塗りの技法の一つである春慶塗を施してある。装飾の金具は裏側にもあり、計238個も使用している。

 製作した上坂理事長は「近年作られている越前箪笥よりも金具の数が多く、当時の技術の高さもうかがえる。これを元の形として、現代風にアレンジした新しいものづくりや受注につなげていきたい」と話している。

 JR武生駅近くのセンチュリープラザ1階にある同案内所で越前箪笥を展示するのは、これが初めて。9月6日からはリニューアルされる同市文化センターのロビーに展示する。

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