10月2日に越前市武生中央公園で開幕する「2015たけふ菊人形」(福井新聞社共催)に向け、目玉となる越前和紙による十二単(ひとえ)姿の紫式部人形の完成が近付いている。18日夜は、日本民族衣裳源流会の会員5人が同市の三田村まつえ代表宅に集まり、仕上げ作業を行った。
今年のテーマは「平安菊花絵巻 紫式部」。菊人形館で、武生で過ごした紫式部の青春時代や、「源氏物語」の名場面を再現する。紫式部人形は越前和紙のPRになればと、実行委員会が三田村代表に制作を依頼した。
紫式部が宮中で女御として勤めていたころの衣装を再現する。越前和紙は丈夫で破れにくい特注品。158枚の和紙を貼り合わせ、高さ約1・5メートルの等身大サイズに仕上げる。
和裁経験のある会員が、仕事の合間をぬって2カ月前から制作を進めてきた。紫、淡青、紅などの色鮮やかな和紙を重ね、華やかに見えるよう計算しながら、のりで貼り合わせている。
この日人形が届き、会員は和紙をほぼ貼り終えた十二単を着せて雰囲気を確認。きらびやかな姿に見入っていた。三田村代表は「衣装を通じて地域文化を後世に伝承できれば」と話していた。