ことし2月に雪の重みで倒壊し、改修を進めてきた福井県大野市上打波の温泉旅館「鳩ケ湯」が20日、入浴の営業を再開した。約2年4カ月ぶりの復活に、再開を待ちわびた大勢のファンが奥越の秘湯に詰め掛けた。
同旅館は家族経営の中心だった男性が亡くなったことから2013年5月に閉館。昨年夏に岐阜県の豊実精工が買い取り、再開に向け準備していた。だがことし2月に積雪で同旅館が倒壊。被害を免れた浴室をまず再開しようと改修を進めてきた。
再オープン初日は、午前8時過ぎに最初の客が岐阜県から到着。その後も県内外から次々と客が訪れ、一時は入浴の待ち時間が30分以上になるほどの盛況だった。約20年ぶりに訪れたという伊藤義明さん(70)=福井市=は「山奥の温泉は静かでいい。時間をかけて来た値打ちがあった。10歳ぐらい若返った」と話していた。
厨房も改修し、おろしそばや丼物などの提供が始まり、人気を集めた。同社によると客室は来年中に新築する予定。
ことしは11月下旬まで営業する。営業時間は午前11時~午後7時。入浴料大人600円(65歳以上500円)、子ども300円。9月21日は無料。問い合わせは鳩ケ湯=電話0779(65)6808。