福井市中央卸売市場(大和田1丁目)の一部を常時開放する「ふくい鮮いちば」の開設1周年祭が7日、始まった。新鮮な食材を消費者に直接届けられるようになった"市民の台所"の節目に合わせ、売り場には初物の越前がにをはじめとする魚介類や野菜がずらり。旬の味を買い求める大勢の人で活気づいた。
「ふくい鮮いちば」は、地場産の安全安心な食材を周知し市場を活性化するのが狙いで、昨年11月8日に関連商品売場の南棟を恒常的に一般開放。水産や青果、総菜・加工、飲食の21事業者が店舗を構えた。卸売市場の常時開放は全国的に珍しく、県内外から1日平均650人程度が買い物に訪れている。
1周年祭では、ほかの2棟も含む関連商品売場全体を開放し、市場内外の計44事業者が出店した。越前がには、この日の同市場での初競りで仕入れた。最上級ブランド「極(きわみ)」の取り扱いはなかったものの、ズワイとセイコがどっさり。威勢のよい掛け声が響き、買い物客が次々と足を止めていた。
地場産のアジやフクラギ、上庄里芋、とみつ金時といった食材が並び、店員からその場で調理方法を教わる主婦の姿も。大きな袋に入った業務用の昆布や煮干し、プロの料理人が使う柳刃包丁など市場ならではの品ぞろえが注目を集めた。
出店者側にとっても顧客のニーズを把握し、商品に反映できるのが一般開放のメリット。対面販売を始めたことで、各事業者の接客向上にもつながっているという。市の担当者は「今後も周知徹底とリピーター獲得に力を入れ、さらなる集客につなげたい」としている。
1周年記念祭は最終日の8日も、午前8時半から午後2時半まで開かれる。500円以上の買い物をした先着500人を対象に、魚介類や野菜が当たる抽選会が開かれる。