日本各地の風景を描いた川瀬巴水の木版画

日本各地の風景を描いた川瀬巴水の木版画

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旅情豊かな「新版画」紹介 東御・丸山晩霞記念館

信濃毎日新聞(2015年11月11日)

 東御市常田の丸山晩霞(ばんか)記念館で、版画家の川瀬巴水(はすい)(1883〜1957年)と、画家の吉田博(1876〜1950年)らの作品を集めた木版画展が開かれている。大正から昭和にかけて活躍した2人を中心に「新版画」と呼ばれる木版画約260点を2期に分けて紹介。第1部は「旅」をテーマに、日本の風景や海外の雄大な自然を題材にした旅情豊かな約130点を12月20日まで展示している。

 新版画は江戸時代の浮世絵の絵師、彫師(ほりし)、摺師(すりし)による分業制の流れをくむ技法。今回、東御市と友好都市提携を結ぶ東京都大田区の区立郷土博物館が作品を所蔵する川瀬と、祢津村(現東御市)出身の水彩画家丸山晩霞(1867〜1942年)と親しかった吉田の木版画を特集した。

 川瀬は東京生まれ。作品には、月明かりが照らす海に浮かぶ船、昭和初期の東京、木崎湖や松原湖といった県内を含め日本各地の風景が登場する。福岡出身の吉田は日本や欧米の山岳風景などを題材に描いており、50回以上の刷りを重ねて微妙な色合いを表現した。太平洋戦争中に小諸町(現小諸市)に疎開した日本画家、伊東深水(しんすい)の木版画「近江八景」も飾った。

 入館料は高校生以上200円。作品を入れ替えた第2部「日本」は来年1月6〜31日に行う。問い合わせは丸山晩霞記念館(電話0268・62・3700)へ。

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