龍江小学校今田人形クラブが上演した「傾城阿波鳴門 順礼歌の段」

龍江小学校今田人形クラブが上演した「傾城阿波鳴門 順礼歌の段」

長野県 伊那路 祭り・催し

涙を誘う伝統の芸 伊那谷の人形浄瑠璃7団体公演

信濃毎日新聞(2015年11月15日)

 伊那谷の人形浄瑠璃が一堂に集まる「伊那人形芝居公演」が14日、飯田市の黒田人形浄瑠璃伝承館で行われた。飯田市の「今田」「黒田」、上伊那郡箕輪町の「古田」、下伊那郡阿南町の「早稲田」の各人形座・保存会でつくる「伊那人形芝居保存協議会」などが主催し、33回目。各団体が指導する小中学校の人形クラブなどを含め計7団体が繰り広げる演目に、延べ約200人が見入った。

 飯田市の龍江小学校今田人形クラブは、生き別れた母と子の情愛を描いた「傾城阿波鳴門(けいせいあわのなると) 順礼歌(じゅんれいうた)の段」を同校4~6年生の7人が熱演。母のお弓が、はるばる訪ねてきた娘がわが子のお鶴と知る場面では、お鶴の顔に手を当てて、前髪を上げて顔を確かめる細かなしぐさを情感たっぷりに演じた。

 母と明かせずに泣く泣くお鶴を帰す場面では、思わず涙をぬぐう観客も。

 同協議会の高田正男会長(82)は「人形浄瑠璃は日本独特の伝統芸能。多くの人に関心を持ってもらい、継承してくれる人をさらに増やしていきたい」と話していた。

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