福井県福井市おさごえ民家園(同市月見5丁目)の木造かやぶきの古民家、旧城地(じょうち)家の改修工事が終了し17日、報道陣向けに内覧会が行われた。全面ふき替えられ黄金色によみがえったカヤは周囲の紅葉と調和し、趣のある和の風情を漂わせている。21日から一般公開する。
旧城地家は1852(嘉永5)年、大野市蕨生(わらびょう)に建てられ、1987年に移築、江戸時代の姿に復元された。89年に市指定文化財となった。かやぶき屋根の老朽化に伴い、2012年度に改修工事に着手した。
かやぶきは厚さ約50センチ。屋根部分の格子状の竹に麻、稲わら、約7千束のススキを順に荒縄でしばり仕上げた。職人約10人がことし5月から10月末まで作業に当たった。
ふき替えに先立ち、腐食した柱数本を交換したほか、腐食の早い屋根の谷間やくぼみは金属で補強した。屋内の照明器具の角度を変え、屋根裏の構造が見学できるようにした。総事業費は1億400万円。
21~23日は完成を記念し無料開放する。3日間は午後5時から同8時までライトアップを行う予定。