1993年の式年遷宮で伊勢神宮に納められ、藤島神社に贈られた奉物=25日、福井市毛矢3丁目の同神社

1993年の式年遷宮で伊勢神宮に納められ、藤島神社に贈られた奉物=25日、福井市毛矢3丁目の同神社

福井県 福井・永平寺

伊勢神宮式年遷宮の奉物、福井市の神社で公開へ

福井新聞(2015年12月26日)

 20年に1度行われる伊勢神宮(三重県)の式年遷宮で、同神宮に納められた奉物のうち盾や矛など計8点が25日、福井市内の2神社に贈られた。1953、93年の式年遷宮で奉納された逸品で、両神社の宮司らは「めったに公開されるものではなく光栄。県民にも広く公開したい」と話している。

 奉物を受け取ったのは、藤島神社(毛矢3丁目)と県護国神社(大宮2丁目)。ことし6月ごろ、県神社庁から伊勢神宮が奉物を提供するという案内があり、両神社は申請書を提出。伊勢神宮に認められ、事前に目録を受け取り25日、厳重に包装された奉物が両神社に届いた。

 藤島神社に届いた奉物は、いずれも93年の式年遷宮で内宮(ないくう)(皇大(こうたい)神宮)の別宮に奉納された盾、矛、剣、弓。剣は刃渡り70・7センチで、漆塗りのさやには伊勢神宮の神紋「花菱(はなびし)」が四つある。つかには正絹の生地に赤色の絹糸で細かい模様が描かれている。矛は長さ3・2メートルで、上部には絹糸で花菱などの刺しゅうが施された緋(ひ)色の「比礼(ひれ)」が付いている。

 県護国神社には、53年に納められた剣と、93年に納められた盾、矛、弓の計4点が届いた。

 奉物は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)をまつる内宮や豊受大御神(とようけのおおみかみ)をまつる外宮(げくう)など、伊勢神宮の125宮社に納められる。藤島神社によると、その時代の各界を代表する全国の名工が、着物や鏡などの日用品を作り神様にささげるという。伊勢神宮では制作者名や数量、奉物を贈った神社名・数などは公表していない。

 藤島神社宮司の新田義和(よしより)さん(39)は「通常、奉物は非公開で届くまで想像ができなかったが、保存状態も良く素晴らしい」と驚きを隠さない。県護国神社禰宜(ねぎ)の宮川貴文さん(44)は「剣の細工が細かく感動した」と話していた。

 両神社では今後、弓と矛を公開する予定で、新田さんは「たくさんの人に見てもらい日本の伝統文化を感じてほしい」と話していた。

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