冬の温泉街に100の月を演出するイベント「宇奈月温泉『百名月物語』」が5日、黒部市宇奈月温泉一帯で始まった。旅館やホテル、商店などが館内や店先に、それぞれの趣向で月にちなんだ飾り付けを施し、観光客らをもてなしている。3月31日まで。
温泉から眺める月が美しかったことから「宇奈月」と名付けられたとされる逸話に絡めたイベント。旅館・ホテルや地元企業などでつくる実行委員会(委員長・石田唯一宇奈月温泉旅館協同組合副理事長)が初めて取り組んだ。
ホテル黒部では、百人一首から月が関係する3首を選び、女性従業員が台紙に歌の内容や情景を表現した絵を描いて飾った。富山地方鉄道宇奈月温泉駅にある黒部・宇奈月温泉観光局の観光案内所では、月の下で遊ぶウサギを描いたのれんを入り口にかけた。正月三が日直後とあって、旅館やホテルでは準備が遅れているが、順次飾り付けを進める。
イベント終盤の3月には巨大あんどんを登場させたり、全国から月にちなんだ温泉地や観光地などが一堂に集まる「第1回日本名月サミット」の開催を予定している。石田実行委員長は「暗くなりがちな宇奈月の冬を明るくしたい」と話した。