開幕と同時に会場に訪れ、熱心に作品を見る来場者=16日、福井県あわら市の金津創作の森

開幕と同時に会場に訪れ、熱心に作品を見る来場者=16日、福井県あわら市の金津創作の森

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佐川晃司さんが福井県で初個展 金津創作の森、3月6日まで

福井新聞(2016年1月17日)

 日常の風景を独自の感覚で描く福井市出身の画家、佐川晃司さん(60)=京都市在住=の福井県内初個展「アートドキュメント2015 佐川晃司展 絵画-見ることの向こう」(福井新聞社共催)が16日、福井県あわら市の金津創作の森で始まった。時間の経過とともに多彩な表情を見せる風景の表現に挑んだ油彩画「半面性の樹塊」シリーズなど、初期作品から新作までの約50点を展示している。

 佐川さんは東京芸大卒、同大大学院美術研究科を満期退学。現在は京都精華大教授を務め、大津市のアトリエで創作活動を続けている。

 会場を制作年ごとに三つに分け回顧的に展示。「半面性の樹塊」シリーズは、季節の変化や奥行きなど、「概念や観念をなくし、生で感じた風景」(佐川さん)を平面絵画に凝縮した作品。ひし形や直線などを描いた画面に、樹木の色を基調とした緑や黄色、青などを塗り重ね立体感を持たせている。

 このほか、生々しい筆触の跡が残る「時の淵に(青)」、木炭で描いた「雑木林のスケッチ」など、深い情感に満ちた作品が並び、来場者は作品との距離を変えながらじっくりと眺めていた。佐川さんは「作品を通して、本質的な日常の感じ方を体感してほしい」と話している。

 同展は3月6日まで(月曜休館)。一般600円(高校生以下無料)。関連イベントとして、31日、2月14、21日の午前10時から、中学生以上を対象にしたワークショップ(有料)がある。問い合わせは創作の森=電話0776(73)7800。

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