日本列島が強い寒気に覆われた25日、県内も全域で厳しい寒さとなった。諏訪の最低気温は氷点下13・0度と、今冬一番の冷え込みとなり、諏訪湖は今季初めてほぼ全面結氷。湖面の氷が割れてせり上がる「御神渡(おみわた)り」を判定する八剣神社(諏訪市小和田)の宮坂清宮司(65)は「この寒さが続けば、厚みのある氷が張り、御神渡り出現の可能性が高まる」と期待を寄せた。
宮坂宮司らが同日午前6時45分すぎ、諏訪市豊田の湖畔から双眼鏡で湖面を観察。湖の中心付近でも、野鳥が氷の上にいることを確認した。湖岸の氷の厚みはまだ1~2センチで、竹の棒で数回たたくと割れる程度だった。前日朝はほとんど氷は張っておらず、毎朝、見回りを続ける大総代の藤森政明さん(61)=諏訪市=は「1日で風景がこんなに変わるとは思わなかった。自然の力を感じる」。今春の諏訪大社御柱祭を前に、御神渡り認定への期待を込めた。
25日は各地で気温が今季最低となり、下伊那郡阿智村浪合では1979(昭和54)年の観測開始以降、最低の氷点下17・4度を観測。諏訪郡原村も同16・9度と1月の観測史上最低だった。
長野地方気象台によると、26日朝の予想最低気温は、諏訪、松本が氷点下10度、長野と飯田同9度、軽井沢同13度。26日からは冬型の気圧配置が緩み、週末にかけて気温は上昇傾向という。