4月に開幕する諏訪大社御柱祭で、上社本宮(諏訪市)と前宮(茅野市)の四方に建てる御柱計8本の曳行(えいこう)担当地区を決める「抽籤(ちゅうせん)式」が15日、本宮であった。各地区を代表する抽籤総代が順にくじを引き、目通り(目の高さ)周囲3・35メートルと最も太い「本宮一」は諏訪市豊田・四賀地区に決まった。同地区が本宮一を引くのは1920(大正9)年以来、96年ぶり。
雪が舞う中、諏訪市の一部、茅野市、諏訪郡富士見町、原村を分けた8地区から集まった氏子約700人が拝殿前の斎庭(ゆにわ)で見守った。抽籤総代はくじを引く順番を決める「順くじ」に続き「本くじ」に臨み、緊張した面持ちでくじを手にした。7番目に引いた豊田・四賀地区の抽籤総代北沢重秋さん(66)=諏訪市豊田=が、「本宮一」を引き当て、大社の神職が結果を読み上げると「おお」と、どよめきが境内に響いた。
抽籤式を終えた北沢さんはくじを引く瞬間「無心だった」と振り返り、氏子たちと喜びを分かち合っていた。
上社側の御柱8本は昨秋、上伊那郡辰野町の横川国有林で伐採し、現在は麓の複合施設「かやぶきの館」に安置。3月下旬、上社側の出発地となる茅野市、諏訪郡原村境の「綱置場(つなおきば)」に搬出する。