福井県越前市が企業の商品開発や販路拡大を支援する事業の一環として開いているセミナー「越前ものづくり塾」の参加企業による商品販売会が8日、金沢市広坂1丁目のショップ「gift(ギフト)」で始まった。北陸新幹線開業に合わせて企画された販売会は昨年に続き2回目。21日まで、"ものづくりの街・越前"を観光客にアピールしている。
越前市や武生商工会議所などが参画する「越前ネクストクラフト事業」は、市内外のものづくり企業の新たな事業展開を支援するのが狙い。22社が参加するセミナーは「売る」をテーマに昨年6月から計10回開かれている。
金沢21世紀美術館近くにあるショップは、福井、石川、富山の3県の雑貨や小物などを扱っており、金沢駅では買えない商品を産地や企業から直接仕入れるこだわりの店。店内の幅5メートルの壁際に設けられた「越前ものがたりコーナー」には、11社が企画した包丁、和紙雑貨、グラスなど約20アイテム並ぶ。
越前和紙を扱う会社は手漉(てす)き和紙カード、和綴(わと)じ帳など、家具製造はソファ皮革を生かしたトートバッグなどを並べ、素材の持ち味を生かした商品ばかり。同市出身の絵本作家加古里子(かこさとし)さんの人気キャラクター、だるまちゃんをデザインした和紙うちわもあり、関東の観光客が「あっ、だるまちゃんだ」と笑顔で眺めていた。
商品に対する客の反応は店を通じ各社に伝えられる。