足湯でくつろぐ観光客でにぎわう村杉温泉。出湯、今板とともに「国民保養温泉地」として五頭温泉郷を広くアピールする=阿賀野市

足湯でくつろぐ観光客でにぎわう村杉温泉。出湯、今板とともに「国民保養温泉地」として五頭温泉郷を広くアピールする=阿賀野市

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阿賀野・五頭温泉郷 「国民保養温泉地」に指定 屈指のラジウム泉評価

新潟日報(2016年5月20日)

 阿賀野市の五頭温泉郷が環境省指定の「国民保養温泉地」に選ばれることが決まった。全国屈指のラジウム温泉と豊かな自然環境、歴史などが評価され、20日に官報に告示される。これを機に地元では毎年5月20日を「五頭温泉郷の日」に定め、温泉を活用した保養や健康増進の取り組みを進め、"現代版の湯治"をPRする考えだ。

 国民保養温泉地は、温泉利用の効果が十分期待され、健全な保養地として活用できる温泉地のこと。(1)利用源泉が療養泉であること(2)温泉の湧出量が豊富であること(3)自然環境、まちなみ、歴史、風土、文化などの観点から保養地に適していること-といった条件がある。1954年に指定が始まり、五頭温泉郷は全国で93番目、県内では弥彦・岩室温泉などに続く5番目となる。

 五頭温泉郷は五頭山の山懐にある出湯、今板、村杉の三つの温泉地からなる。主な泉質は放射能泉で、ラジウム含有量が多く、痛風や関節リウマチなどに効くとされ、かつては湯治場として栄えた。県の観光地満足度調査では、3回連続で1位に輝くなど人気の高い温泉地でもある。

 旅館関係者らが「効能がある温泉をもっとアピールしたい」と、昨年から指定を目指し動き始めた。温泉の効能や歴史、今後の取り組みをまとめた計画書を作り、環境省の担当者による現地調査を経て指定にこぎ着けた。22日に東京で開かれる「全国温泉地サミットin東京」で指定書が渡される。

 今後は、健康食の提供や医師による温泉利用、健康管理についての指導、遊歩道でのウオーキングといった運動を組み合わせた温泉客の健康づくりに力を注ぐ。旅館料理人で研究会を立ち上げ、旅館で提供する薬膳料理を開発する。

 五頭温泉郷旅館協同組合と阿賀野市は、毎年5月20日の「五頭温泉郷の日」に共同浴場や足湯、旅館の温泉を無料開放するほか、記念品を配る。初回の今年は26日に10軒の旅館が午前11時~午後2時、温泉を無料開放する。共同浴場、足湯でも無料開放したり記念品を配ったりする。

 組合の清野修栄理事長は「効能高い温泉をさらにPRして、健康増進のための運動や食事を提供し、心休まる温泉地を目指したい」と話した。問い合わせは五頭温泉郷旅館協同組合、0250(61)3003。

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