戦国時代から現代にかけて書かれた手紙をテーマにした展示会「時代をうつす10人の手紙~伝えたかった想(おも)いがあります~」が24日、福井市の県文書館で始まった。さまざまな時代に、家族や友のことを思いやって書いた手紙など45点が並ぶ。8月24日まで。
福井藩主、松平春嶽が18歳のときに10歳の弟の鎰丸(かつまる)に宛てた手紙の写しは、尾張藩主となるため養子に出た弟に対して、藩主の心得を説く内容となっている。「物事は始めを慎むこと」、「国民には慈しみの心をもって接すること」などの言葉が並んでいる。
このほか、1941年に戦地から家族に送った絵はがきや、昭和初期に設立された「だるまや少女歌劇団」元メンバーが、解散し約60年の時を経て交流した手紙もある。また現代の手紙として「一筆啓上」の優秀作品も展示されている。
同館職員の藤井律子さんは「手紙は書き手の人柄や想いを反映し、歴史を語っているものもある。直筆の手紙を見て、その人の人となりや気持ち、歴史に思いをはせてほしい」と話していた。
同館では7月16日から顔彩や色鉛筆を使ったオリジナルの絵手紙を描く体験コーナーも始める。