普光寺中庭に置かれる猫の顔を描いた飾り瓦=南魚沼市浦佐

普光寺中庭に置かれる猫の顔を描いた飾り瓦=南魚沼市浦佐

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招きたい猫スポット南魚沼・普光寺 魔除けの瓦、左甚五郎の面

新潟日報(2016年8月5日)

 猫ブームを背景に、各地の「猫スポット」が注目されつつある。そんな一つが、3月の裸押し合い大祭で有名な南魚沼市浦佐の普光寺の中庭にある猫の顔を模した飾り瓦だ。寺には魔除けの猫の言い伝えが残されており、地元関係者らが再検証の準備を進めている。

 今にも鳴き出しそうな猫の表情が描かれた猫瓦は、普光寺中庭の池の周りに"9匹"が鎮座している。猫たちは1997年ごろまで40年以上、寺の屋根を守ってきた。瓦屋根を現在の銅板にふき替えた際、庭に移された上で残された。

 普光寺には猫の言い伝えがいくつかある。その一つは、寺で悪さをする化け猫が退治され、生き返らぬよう大勢で踏みつけたことが裸押し合い大祭のルーツとする内容で、南魚沼郡誌続編・下巻に記されている。

 ほかに、日光東照宮の眠り猫などの彫刻で有名な左甚五郎が彫ったとされる猫面をめぐる言い伝えもある。寺に信仰を寄せていた左甚五郎が寄贈した猫面は、祭りが始まると喜んで「にゃあ」と鳴いたとされる。さらに江戸後期の大火の際には、鳴き声で知らせ、寺への延焼を防いだという。

 このため猫面は魔除けとして敬われてきたが、1931年の火災で焼失。その後、檀家が寄贈した複製の猫面が今も堂内に残る。

 安田瓦協同組合(阿賀野市)によると、猫の顔の飾り瓦は全国的にも珍しく、「発注者の要望で製作したのではないか」とみる。

 普光寺総代の羽賀不二夫さん(66)は、寺側が猫面の瓦を発注したことについて「猫に厄災除けの願いを込めたのでは」と推測。その上で「歴史などを調査し、魔除けの猫瓦として後世に伝えたい」とし、地元の仲間らとともに寺の歴史を検証する会を今秋にも立ち上げたい考えだ。

◎門前土産店でグッズを販売

 普光寺門前の土産店「河田屋」では、猫瓦と左甚五郎の猫面の関連グッズ=写真=を扱っている。猫瓦が描かれたせんべいと魔除けの猫面バッジはオリジナルだ。同店の羽賀聖子さん(52)は「猫が好きだったこともあり、猫瓦や猫面を知ってほしかった」と話す。商品を見て境内の猫瓦を見に行く人もいるという。

 左甚五郎の猫面を模した和紙の面は、1975年ごろ南魚沼市出身の画家、早津剛さんが復元した。

 2年ほど前には、父が猫瓦の制作者という関東在住の男性が同店を訪ねてきて「瓦は父が面白がって作ったと聞いている」と話したこともあったという。

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